はたらく人のがん検診ガイド

職域におけるがん検診
に関するマニュアル

子宮頸がん検診

まずはクイズ動画を見て学びましょう

子宮頸がん検診の検査方法

職域での子宮頸がん検診は医師による「子宮頸部擦過細胞診」を行います。
2024年4月より、準備ができた地域の住民検診では「HPV検査単独法による子宮頸がん検診と陽性例への細胞診トリアージ」が追加されます。 当分の間、職域では「医師による子宮頸部擦過細胞診」となります。

子宮頚部擦過細胞診の採取について

子宮頚部擦過細胞診は、必ず医師による採取が必要です。自己採取では子宮頸部からの細胞を確実にとることはできません。

細胞診による子宮頸がん検診の対象年齢

20歳以上が医師による子宮頸部擦過細胞診の対象者です。

子宮頚部擦過細胞診の検診の間隔

子宮頚部擦過細胞診は、2年に1回受診させるのが適切な間隔です。毎年の検診を行っても、2年に1回の検診と比べて、検診による不利益が大きくなるわりには、得られる利益、すなわち前がん病変を見つけたり、治療できる病変を見つける利益が小さいと考えられているからです。

子宮頸がん検診の判定方法

子宮頸がんの場合には、他の細胞診で用いるクラス分類を使用せずベセスダシステムを使用しています。「標本の質が適正であるか」の判定がまず必要です。そのうえで、ベセスダシステムでの判定をされているか確認が必要です。

子宮頸がん検診の判定者は資格について

基本は「資格が必要」ですが、現在では「資格があることが望ましい」になっています。職域におけるがん検診に関するマニュアルでは、検診施設のチェックリストがあり、日本臨床細胞学会の認定を受けた細胞診専門医と細胞検査士がペアで判定を行っているか、日本臨床細胞学会の施設認定を受けて精度管理状況を満たしているかを実施施設の基準として取り入れる必要があります。

子宮頸がん検診の判定について

検体の適正、不適正の判定があり、その後、以下の判定がされます。

  • ①NILM(エヌアイエルエム)
  • ②ASC-US(アスカス)
  • ③上記以外(LSIL(ローシル)、HSIL(ハイシル)SCC(エス・シー・シー)など

判定結果による精密検査指示について

これらのような判定をしている検診機関を選びましょう。

  • ①不適正のとき、やり直しをする
  • ②NILM(エヌアイエルエム)の結果の場合、異常がないことを意味しますので、2年毎の検診受診を勧める
  • ③ASC-US(アスカス)の結果の場合、がんの予兆の病変がある可能性があり、受診してHPV検査を勧める
  • ④その他の検診結果の場合、受診してコルポスコープを使った生検を勧める

日本ではASC-US(アスカス)に対して、直ちにコルポスコープ下(か)狙い組織診、6ヶ月ごとの細胞診を次回検診まで繰り返す、も許容されていますが、紹介状にはHPVトリアージ検査と書きます。

精密検査後の指導について

ASC-US(アスカス)にてHPV検査を実施し

  • ①陽性の場合は、コルポスコピー検査を勧めましょう
  • ②陰性の場合は、1年後に婦人科で細胞診を受診するように勧めましょう

上記以外(LSIL(ローシル)、HSIL(ハイシル)、SCC(エス・シー・シー))や「①の後」の場合は婦人科でのコルポスコピー検査の後、どのタイミングで検診に戻るかは、婦人科医師の指示を仰ぎましょう。

精密検査後の処理について

  • ASC-US、ASC-US以外に分けて、精密検査受診と結果を確認しましょう。
  • 精密検査未受診者に受診勧奨しましょう。
  • 結果に基づき、次回検診対象者名簿を作りましょう。

正しい検診の知識を身につけ指導していきましょう。そして、精密検査の未受診者は放置せず受診を何度でも勧めましょう。

詳しいマニュアルはこちらでダウンロードできます。

職域におけるがん検診に
関するマニュアル

平成30年3月 厚生労働省

職域におけるがん検診に関するマニュアル

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