毎年年度初めに
衛生委員会・(50人未満の場合は準ずる会議)で議題として下さい。
当該事業所における法定健診と共にがん検診の実施状況の確認をして下さい。
もし、がん検診をマニュアルに基づかずに実施している場合や精検受診勧奨や事業評価を行っていない場合については、下記を参考にして下さい。
がん検診は、科学的根拠に基づいて実施することで、受診者にとってのメリットを最大限に高め、デメリットを最小限に抑えることができると考えられています。そのため、科学的根拠をもとに作成された「職域でのがん検診に関するマニュアル(指針)」を参考にしながら、検診の企画・実施を行うことが重要です。
具体的な内容については、こちらの動画をご覧ください。
がん検診は、まず精密検査が必要な方を絞り込む「スクリーニング検査」を行います。このスクリーニング検査で「陽性」または「要精密検査(要精検)」と判定された方が、実際に「精密検査」を受診することで初めて、がん検診としての効果が発揮されます。
そのため、受診率を向上させることも重要ですが、特に精密検査の受診率を100%に近づけることが、より重要な施策となります。
そのためには
第一にがん検診受診前に「精査が必要な場合は、受診することが大切である」というがん検診全体の説明を十分にすることが必要です。
その次に、がん検診を実施する検診機関との契約時に、「要精検」の方には必ず「紹介状」を発行し精密検査の案内をしてもらうことを交渉しましょう。
健保組合には、精密検査を受けた場合に「精密検査のレセプト(精検レセプト)」が、さらにがんが見つかって治療が始まった場合には「がん治療のレセプト(がん患者レセプト)」が届きます。これらのレセプトを抽出することで、精密検査の受診者とがん患者のリストを特定することができます。
検診機関からがん検診の結果を入手し、精密検査が必要な人をリスト化しておきます。ただし、検診機関によって判定が異なるため、本来ならば「正常」または「要精検」のいずれかで判定されるべきところ、必ずしもこの2区分に沿っていないケースも少なくありません。そのため、現在こうした判定の違いに対応するための対策を講じています。詳しくは「検診機関からの結果を入手する方法」をご参照ください。
4)のリストから、3)で既に精密検査を受診された方のリストを差し引くことで、「未受診者のリスト」を作成できます。このリストを活用し、健康保険組合から、または事業者と連携して受診勧奨を行うことで、より効率的な対応が可能となります。
受診勧奨を行う際の留意点については、こちらの動画でご紹介していますので、ぜひご参照ください。
保険者精度管理システムを活用することで、「受診率」「要精検率」「精密検査受診率」「がん発見率」「陽性的中率」といったプロセス指標、さらに「感度」「特異度」まで自動的に算出されます。これらを国が提示している指標と照らし合わせることで、がん検診が効果的に実施されているかどうかを客観的に評価することが可能になります。