はたらく人のがん検診ガイド

職域におけるがん検診
に関するマニュアル

健保組合が単独で精検受診勧奨を行う場合の方法と注意点

がん検診の目的は、精密検査が必要な人を絞り込むことです。がんは精密検査を受診してはじめて発見できるため、がん検診の結果から要精密検査となった人に精密検査の受診を促し、精検受診率を高めることが重要です。精密検査の受診を勧めること、つまり「精検受診勧奨」を誰が行うのかによって、留意すべきことが異なります。

ここでは、健保組合が単独で、精検受診勧奨を行う場合の留意点について説明します。

検査機関や事業者との連携

健保組合が医療保険者として「がん検診の精検受診勧奨事業を行うこと」を、事業主の理解を得るために協議しましょう。また、がん検診を行う検診機関とも連携を行います。

がん検診受診者(個人)に伝えること

ポイント

検診結果を健保組合が取り扱うことの周知と同意

がん検診の受診者には申込みの際に以下を説明し、あらかじめ同意を得ることが必要です。

  • 要精密検査の結果が出た場合には精密検査を受ける必要があること
  • 検診機関からだけでなく、健保組合からも精密検査の受診に関する連絡を行うこと(健保組合が「精密検査の受診勧奨事業」として行うため)
  • そのために健保組合が検診結果や受診者の連絡先を入手すること

また、健保組合内では、レセプトというセンシティブな情報を扱っているので、情報管理が適切に行われていることを伝えると、受診者は安心します。

同意

精検受診勧奨を行う際の留意点

「要精検=がん」と誤解されやすいので注意が必要です。また、結果を他の人に知られることないように配慮します。

具体的な進め方

STEP1 周知と連携

健保組合が医療保険者として「がん検診の精検受診勧奨事業を行うこと」を周知します。特に、事業主に承諾をもらい、連携してもらうことが大切です。

STEP2 受診者の同意

がん検診の申し込みの段階などで、受診者に同意と連絡先情報をもらいます。
検診機関、検診代行機関がその旨の同意を取られていれば、健保が同意をとる必要 はありません。(健保があえて同意をとるのは受診勧奨の連絡くることに対する不信感を防ぐためです。この必要性の有無は健保ー会社間で協議してください)
同意書の雛形はこちらです。

 

《同意の内容》

  • 健保組合が精検受診勧奨のために検査結果を得ること
  • 健保組合が精検受診勧奨のために受診者の連絡先情報を得ること

《連絡先情報》

  • 連絡方法は、郵便、メールやLINEなど連絡しやすい方法を考えましょう。

STEP3 精密検査の受診勧奨

まず、がん検診の検診機関に精検受診勧奨を行ってもらうよう委託しましょう。しかし、それだけでは不十分なので健保組合が追加の精検受診勧奨を実施し、その管理を行います。

STEP4 リストの作成

精検受診勧奨を行う要精検者のリストを作成して、連絡の経過状況を管理しましょう。

STEP5 継続的な精検受診勧奨の促進

リストの対応状況を更新しながら、継続的に精検受診を促進します。こうして、要精密検査の人が未受診のままにしないようにします。

がん検診申込時の同意に関する雛形

同意

健保組合のみで個別の精密検査受診を行う場合はこちらを参考にしてください。
連絡先を記入してもらうことで、同意の有無を確認します。

がん検診の結果にて、要精密検査の判定の方は必ず精密検査の受診をお願いします。

尚、当健保では精密検査受診を促進(リマインド)するために、検診機関からの結果を入手して個別に精密検査受診に関する案内(精検受診勧奨)を実施しております。案内の連絡先を以下にご記入ください。

  • 郵送を希望
  • 郵送以外の方法を希望 _________
  • 連絡不要

本件に関するお問い合わせ先はこちらです。〇〇〇

 

同意書の雛形ダウンロード

まとめ

  • 事業主の理解が必要なので、会社と協議が必要です。
  • 検診結果を健保組合が取り扱うことの周知と同意を得ましょう。
  • 「精検=がん」と不安に思われる方がいるので、精検受診勧奨時には留意しましょう。
  • 複数回のアナウンスや広報を通じて、精検受診勧奨の周知と理解を図りましょう。

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