がん検診を受ける社員の方にも知っておいていただきたいのが、検診のデメリットとしての「偽陽性」の存在です。年齢によっては、偽陽性のリスクが高くなることがあります。偽陽性とは、検診で陽性でも、がんが見つからない場合のことを言います。検診で、陽性と言われると不安な気持ちになったり、精密検査を受診するために病院の予約、受診、結果の説明をうけるために数度会社を休み費用もかかります。従って、偽陽性はなるべく少なくすることが重要です。指針に指定されている年齢より若い人ががん検診をうけると偽陽性の率が高まりデメリットが増えます。がん検診を効果的に受けるためには、国が示した指針に基づいて正しい方法で受診することが重要です。
これらの動画は社員への教育動画としてお使いください。
①は説明動画、②は具体的な場面を想定した動画、③は少しコミカルな動画です。対象者に合わせてご利用ください
がん検診は「二段階検診」で行います。がんを見つけるにはまず、がんの疑いを絞り込み、その後で精密検査をします。精密検査後、がんが見つからなかったケースを「偽陽性」といいます。
偽陽性の主な原因は、「検査精度」と「有病率」です。たとえば30歳の若者では、胃がんの有病率は5万人に1人と低いため、陽性でも本当にがんの可能性は低く、偽陽性が多くなります。
「がんの疑いがある」と言われると、心理的に不安になったり、精密検査の予約、受診、結果説明など、何回も病院に行くため、経済的、時間的に負担がかかります。
がん検診はがんを早期に発見し、体にやさしい治療ができ、命が助かるメリットがありますが、指針より若年者からがん検診を受けると、偽陽性という不利益が生じます。
動画の解説
会社のがん検診で「要精密検査」の判定が出た女性は、数か月後にようやく精密検査を受けることになりました。この期間中、検査費用にお金がかかり、有給休暇を使い、何よりも数か月にわたる不安と精神的な負担が大きかった女性。しかし、最終的に精密検査の結果は「がんではなかった」と判明しました。
このような偽陽性のケースは、特に若い女性において乳がん検診で白い影が出やすく、実際にはがんでないのに陽性の結果が出ることがあります。国は40歳以上から乳がん検診を推奨しており、指針に基づいてがん検診を受けることが重要です。
動画の解説
会社の費用補助が出るので、腫瘍マーカーを軽い気持ちで受けた男性。血液検査だけで済むので手軽でラッキーと思っていたところ、複数の項目で「腫瘍マーカーに異常あり」という結果が出て、大腸カメラ、胃カメラ、CT、腹部超音波と、3か月かけて何回も検査を受けることになりました。その結果、がんではなかったことが判明しましたが、多くの時間を費やし、精神的なを負担もありました。半年後にもCT検査を受けることになり、何度も検査を受けることでの被爆の不安も残ります。
このような例もあるので、がん検診はどんな検査が必要かどうか国が出している指針をもとに、がん検診を受けることをお勧めします。